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2014年6月 6日 (金)

「に」ではなく「と」

「ジャパンフィーバーの余韻から覚めたら書いてもいいですよ。。。」

ブログ執筆の依頼に、遠回しに断ったつもりで言ったが、どうも相手には届いていないようだ。「ま、半年くらいは覚めませんけどね」とすぐさま小声で行間を埋めてみたが、どうやら効果はなかった。数日後のメールに添付されたHapons幹事会の議事録のブログ執筆者欄に自分の名前がはっきりと記載されている。「見てないこと」と呟いてしばらく放置していたが、それを見透かしたかどうか、敬愛するHapons奥野部長夫妻から波状督促メールが届き、これは逃げ切れないと観念する。拙稿ではあるが2編ほど寄稿させていただく。


2014427日と53日、Hapons2 陶酔する。それもカッポン的陶酔ではなく、心からの陶酔。恍惚といっていいかもしれない。たった1週間の間に、100年に1度のイベントが2度。大袈裟ではない。。。と思う。


一つ目はすでに当ブログで報告されている「ジャパンVSフィリピン」。ラガーマンなら一度は目指したジャパンが、ワールドカップ予選の試合をしに、あろうことかフィリピンにやってきたのである。試合の2日前にジャパンがマニラに到着してからというもの、普段は仏頂面がデフォルトの平均年齢45歳な純オッサン集団は、嵐の追っかけをする女子と質的には何ら変わらない、テンション上がりっぱなしの異様な状態。試合前日練習は平日ながら、ある者は有給休暇を使い、ある者は口からデマカセを言って上司を騙し、ある者は職権乱用休暇を使って、まるで関係者かの如くグランドに集結。とまぁ、書くと止まらないのでジャパンの話は次回に書くとして、今回は、そのジャパンが来る1週間前、Haponsが陶酔したもうひとつの話。レイテ島で行ったイベント、台風被災者支援活動を報告する。

 

イベント公式タイトルは。。。

復興支援 初めてのラグビー教室 in レイテ  

~レイテの子どもたちに笑顔を~


野心的。。。いや、ほとんど妄想的。。。名詞・形容詞・前置詞をランダムに選んで並べたのかと思えるほどのデタラメなタイトル。ラグビー認知率が限りなくゼロに近いこの国でラグビー教室?しかもレイテで?しかもカッポン集団Haponsが?

しかし、この妄想的タイトルが時を追うごとに現実味を帯びてくるのである。1文字を除いては。。。

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ワライ語・英語・日本語入りの横断幕


背景を少々。

Gini係数という言葉を聞いたことがあるだろうか。一言で言えば国内の貧富の格差を表す指標のこと。世界的に見ても、フィリピンは貧富の格差が大きく、Gini係数ランクでアジアではマレーシアに次いでワースト2位。大金持ちと貧乏人がはっきりと分かれている国なのである。フィリピンの中でも最貧地域の一つであるレイテ島は3世帯のうち1世帯は年収4万円以下(TianTian食事1回分)、1日1ドル程度で暮らしている。そんな非常に貧しい島に、2013118日、観測史上最大級の台風(30号・現地名:ヨランダ)が襲った。6000人以上の人命が奪われ、今でも1000人以上の人が行方不明である。そして、現地には、実際に家族を亡くした人、親を亡くした子供、家を無くした人がいて、それが今も現実として続いている。

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1000人以上の人が亡くなったレイテ州パロ町

(筆者もかつてここに2年住んでいた)

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貧困マップと台風進路

(色は州ごとの年収約4万円以下の世帯の割合)

 

大災害となった台風被害のニュースが世界中を駆け巡っている中、すぐに連絡をくれたのが友人でもあるラグビーショップNZ RUGBY ONLINEの経営者、小澤響平。衣類やその他支援物資の提供をいち早く表明してくれた。しかし、輸送などのロジを考えるとそう簡単には話は進まない。

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http://reuse.totalrugbysupport.com/

NZ RUGBY ONLINEが主催するリユースプロジェクトを通して

200Kgの衣料品の支援物資が提供された


そんな中、HaponsAJRCの大会で台湾に遠征する。すでに世界的大ニュースとなったフィリピンの大災害に対して、ホスト国である台湾チームFIVEWOODS部長の鎌田さんは、被災者支援のための募金を提案。AJRC事務局に承認を取り付け、さらにFIVEWOODSは募金箱まで作成してくれていた。Haponsが依頼したわけでもないこのサポートがなければ、今回のイベントも存在し得なかった。ある意味、今回のイベントの出発点といっても過言ではない。本当に有難うございました。

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FIVEWOODSが作成してくれた素敵な募金箱

(フィリピン国旗ハートマークに愛を感じます!)

 

さて、ただ募金箱を置いておくだけでは中々募金は集まらない。試合後のアフターファンクション。ご存知のようにラガーマンの特性は、単純思考回路、情にもろく、その場のノリ第一主義。そんなラガーマンに酒を与えたら結果は明白。程なくしてお祭り状態に突入し、脳の情動系も財布の紐もユルユルになったのを見計らって Hapons メンバーが動く。もはや、募金活動ではなく回収作業といっていいであろう。そして、なんと 10万ペソ(日本円で 24万円くらい)ものアガリを回収、いや、募金をして頂いたのである。

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子供からも容赦なく回収する吉本

 

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責任持ってレイテの子供たちに届けます!

 

NZ RUGBY ONLINEから200kgもの支援物資、AJRCから24万円もの支援資金、この2つの気持ちをどう現地に届けるか。Haponsは何度か会議を持ちアイデアを出しあい色々な意見が出る中、現地視察も踏まえて最終的に最もつらい立場にいる壊滅的な被害を受けた被災地にいる子供達を裨益対象に決め、被災者支援チャリティイベントをやることになった。

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現地視察する玉記・関口

(後ろにWelcome to Yolanda Villageの文字が。。)


モノ・カネが揃い、あとはそれをつなぐヒト。そこで登場したのが今回のイベントの最重要人物、堀口利辺佳。自身が台風被災者であり、被災した隊員では唯一帰国せずに現地にとどまり被災者の視線で援助を続けている協力隊隊員である。彼女は全く妥協せず本当に支援を必要としている村を探し、我々の活動ができる場所をみつけ、裨益対象者を探してくれた。当日の炊き出し料理調達も安易にランチボックスなどを注文せず現地の人にお金が落ちるように素材からの調達。イベント全ての調整から通訳まで八面六臂の活躍をしてくれた。私も以前協力隊員だったからわかるが、ここまで現地の人の視線、立場で活動できる隊員をかつて見たことがない。

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子供達に現地語のワライ語でルール説明する堀口さん

 

そして、当日のラグビー教室では、150人以上もの子供達が集まり、参加したHaponsメンバー11人、日本や中国から来たHapons OB3人、AJRCから参加頂いた三輪さん、東京・NZから来たNZ RUGBY ONLINEの小澤さん・櫻井さん、協力隊の堀口さん、院生の高原さん、現地人の協力スタッフ、ドライバー、みんなの協力で、イベントは大いに盛り上がる。

 

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イベントを開催したタナウアン町モホン村のモホン小学校

 

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現地語で挨拶する奥野部長 

原稿を一行も暗記しておらず棒読みで日本人的には爆笑。

子供はキョトン。1ミリも伝わってませんよ。

左から 山崎 高原 宮尾 奥野 小野 永田

 

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ボールで遊ぶ子どもたち 笑顔がいい。。。

 

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体を張って開始まで時間をつなぐ横山さん

 

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女の子にパスを教える小田切先生

 

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子供とパスして遊ぶ小澤さん

 

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タグを取り合う三輪さん


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オミさん、タガログを駆使して指導


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運び屋小野さん あれ?目の錯覚?


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タグ指導中の原木和尚

 

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杖をツイてでも来た漢・宮尾 惚れなおした!!


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岡田さんもハッスル どうしても相撲がしたい?

 

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内藤ファン?いえ、写真目当てです

 

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写真、喜んでくれました

(孤独の作業が報われる笑顔。。。)

 

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学年ごとの写真 

左から内藤・奥野・永田・小澤・櫻井・宮尾・玉記・高島・日向

(個人写真がない人はこれで許して。。あ、ザッキーがいない。。)


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NZ RUGBY ONLINEの小澤さんより被災者に

衣類やシューズなどが手渡される


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配給準備をする女性陣

左から堀口さん・小田切さん・奥野朋子さん


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全員集合!!


24

 参加したメンバー(クリックで拡大)

 


そして、忘れてはいけない人達がいる。

 

イベントに参加してくれた子供達である。

 

このイベントが終了して、参加した日本人皆が口々にした感想の中に、一つだけ共通する言葉があった。

 

「癒やされたのは子供達ではなく、むしろ自分達」

 

裨益という漢字には、益を受け取るという意味があるが、国際援助の世界では必ず「裨益」対象を選定し、そこに何かをしてあげるという一方通行の矢印が存在する。今回も我々は裨益対象者である被災した子供達に何かをしてあげるつもりだった。しかし、どういうわけか逆に子供達からエネルギーをもらったのである。

 

「癒やされたのは子供達ではなく、むしろ自分達」

 

40を超えたおっさん達が臆面もなく口々に言ったその言葉に嘘はなく、貧困の村で被災した、いわば最も過酷な環境にいる子どもたちと触れ合ってエネルギーをもらった参加者は、何か腑に落ちない不思議な感覚を覚える。

 

ところで、Happy Planet Indexという言葉を聞いたことがあるだろうか。一言で言えば国の幸福度を表す指標のこと。「家族と一緒にいる時間」・「平均寿命」・「地球にエコであるか」の3つの指標で構成されており、「お金を持っているか」を測るのではなく、その国の国民が幸せであるかをマクロ的に見た指標。国全体でみて4世帯のうち1世帯が11ドルで暮らしているフィリピンはどうか。なんと世界全体で14位、アジアではベトナムに次いで2位。ワーストではない、ベスト2。アジアで2番目に幸せな国なのである。

 

その数字を見て、我々が感じた不思議な感覚がスッと腑に落ちる。そして、心地よい陶酔感に浸りながら、ついに現実のものとなったイベントタイトルに、一文字修正が必要と気づいたのであった。

25

 

おしまい

 

文:玉


編集後記

27

この活動は、現地の日系新聞2誌(まにら新聞・NNA)に掲載され

大々的に報道された。


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改めて、この活動に直接・間接的に支援してくれた皆様に御礼を申し上げます。

写真:AJRC2013@台湾・全体写真

 

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